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KakeraBankPress|VOL.7

「堤晋一」さん ミュージシャン・音楽プロデューサー・ライブハウスプロデューサー

カケラバンク : 僕達が今、最も興味を持っている方に取材をするこのコーナー。6回目のゲストは、ミュージシャンであり音楽プロデューサーでありライブハウスプロデューサーでもある「堤晋一」さんです。話は「フラット生きる方法」に辿り着きました。

 

─幹也 : 広島から東京に来られたきっかけから教えてください。

─堤さん :   11年前にビバッチェというバンドでデビューした後に、広島から本腰を入れる為に上京して、当時インディーズパンクロックのブームだったので、色んなバンドと一緒に全国を年間100本ぐらいまわってたかな。

─幹也 : 僕は他の人の音楽とか唄に興味を持てなくて100%凄いなぁって気持ちにはなったり、認める事が中々出来ず、余り他のミュージシャンと一緒にイベントをしないんですが、堤さんは一緒にまわられてたそれぞれのバンドの音楽性を素直に認められてましたか?

─堤さん : 全然(笑) カッコいい!ムカつく!って。

─幹也 : そうなんですね。100%好きじゃなくても一緒にやってたんですね。

─堤さん : 興味が出てしまうけ。こいつら何で俺にないモノ持ってるんだって。

─弘 : 年間100本は楽しかったですか?

─堤さん : 忙し過ぎて覚えてない(笑) 野外フェスもブームだったからね。

─幹也 : で、現在はプロデュース業をされているという事ですが、音楽業界全体をどう思われますか?

─堤さん : 録音ビジネスは終わるかな。

─弘 : CDを持つっていうスタイルが終わったんですね。

─幹也 : じゃあミュージシャンはライブ第一になるんでしょうか?

─堤さん : 生き方だと思う。生き方を売るようになると思う。

─幹也 : 堤さんはミュージシャンでありアーティストやライブハウスのプロデューサーであるというスタイルは音楽で生活する方達の最先端だと思います。

─弘 : ブログの文章一つ、音楽以外の本や写真での表現等、やりたい事を2人がそれぞれやって、生き方・生き様を見せるカタマリがカケラバンクだと僕も思います。

─幹也 : やりたい事をやるためには日々アンテナを張っておかないといけないなと思います。

─弘 : アンテナの張り方を堤さんはどうされてますか?

─堤さん : 適当(笑)。面白そうだなって思った事をやる。

─弘 : ビバッチェを解散された後から好きな事をされました?

─堤さん : ビバッチェがデビューするぐらいの時から、ビバッチェがそこそこ売れて、堤晋一個人としてソロも出したい、作詞作曲の作家もやりたい、プロデュースもやりたいって描いてたけ、ビバッチェをやりながらソロをだしたりプロディースを始めてた。解散時は残念だったけど待ってましたって感じで、次行くぞってなってた。

─弘 : 「やりたい事をやろう」って僕等もよく言うんですけど、やりたい事って何やねんって分からなくなってしまう時があるんですが、やりたい事はこれですって確定させるやり方ってありますか?

─堤さん : 面白いものと感動するものの2つ。自分が面白いって思ったモノが生まれたら、色んな人と「これ面白くねぇ?」ってシェアすると感動が生まれると思う。全部一人で完結出来ないモノを考える。


堤さんとの対談風景

─弘 : 夢って周りの協力がないと実現出来ないはずなのに、自分が出来る範囲だけで描いてこじんまりとよくしてしまうんです。

─幹也 : そっか夢って人に話したらその人と共有するから、一人で描くより実現には近付いて行くもんな。でも言っていく時に説得力ないと共有出来ない気がする。

─弘 : それはその夢が面白いかどうかって事ちゃう? 堤さんの「ワクワクする事が一杯」って凄いですね。幹也君は実現しなさそうな要素がちょっとでもあると、やめようってすぐしてしまうけど、堤さんは色んなモノに踏み込まれるのが凄いなと思います。

─幹也 : それはこれはこうすれば叶うなって思えるから動くんですか?

─堤さん : ただ面白そうってだけでやる。

─幹也 : でも実現しなかった事も沢山ありましたよね?それでいちいち凹まないようにされてるんですか?

─堤さん : いや「実現しなかったという札」を置かない。まだ途中だと思う。いつ叶うんだろうって。そうすると「失敗」もない。

─幹也 : そうか。勝手に自分でこれを「1年」で叶えるぞって決めるのって根拠が無いからおかしな話ですもんね。10年後叶うかもしれないですもんね。って事は色んな事を周りに言って忘れてる事もあるんですか?

─堤さん : うん一杯ある。

─幹也 : 周りから言われて、あっ俺そんな事昔言ってたなぁって事があるんですね。

─堤さん : 「堤さんがあれ面白そうって言ってたから動いとったんですけど・・・」って言われて「あっゴメン忘れてた」って事もある(笑)。

─幹也 : 忘れた頃に実現するって事があるんですね。

─堤さん : 一杯色んな事してたら何処かが具体的になって来るけ、動き出した奴を細かく詰めて行く。

─弘 : なるほど。その一歩を中々踏み出さないのが僕達なんです。これぐらいでこれでこうなるからやめとこうってなるんです。今までの自分の経験則だけで描いたら、まぁこれぐらいやし面白くないなぁってなって終わらせるんです。

─幹也 : 歳いくごとに経験はたまに邪魔してしまうよな。

─弘 : それって結果を求めすぎなんかな。

─幹也 : 何事も数字で結果を計ったらアカンのかもね。

─弘 : 瞬間瞬間面白い事をやれば何処かに辿り着くもんな。自分の内面の事を優先させるようになったのは何かきっかけがあったんですか?

─堤さん : ビバッチェはいいレッスンだったなって思う。ブームに乗れてそこそこ売れて、このまま続くんだってロックスターになった気分だったけど、ブームの終わりと共に超最高の曲を作ってるのにセールスが下がって来て。あれ?って思って、俺は変わらんのに時代という外が変わり始めた時、なんで?って思った。

─幹也 : その時離れて行った人達に近寄った時はあったんですか?

─堤さん : あった。でもそういうベクトルに行けば行くほど虚しくなった。HPをポップに変えたりしても本質は違うなって思ってた。「アーティスト」ってのは誰がどう思おうがどうでもいいモノなんだって思うようになった。

─幹也 : そんな風に開き直ったのはいつ頃でした?

─堤さん : ビバッチェを解散した2年前の32ぐらいかな。

─幹也 : 今の僕達と一緒ですね。

─弘 : 自分のやりたいことは自分で決めないと、周りに従って生きてると大変なことになるっていう経験、僕達にもありました。

─堤さん : 色んな事考えるのが面倒臭くなって、どうでもいいやってそう思えた瞬間楽になって、最終自分の価値なんて自分じゃない誰かが決めるけ。

─幹也 : 「俺は俺」ってなるのに僕等も東京来て3年かかりました。自分を見つけた人は何系とかに属さずに真似せずに生きられるのかもしれないですね。30代になってファッションや見た目じゃなく思想が近い人と仕事したくなって来ました。

─弘 : 「美人は3日で飽きる」っていうのは中身が無い人とは何も生み出せないって意味かもね。

─堤さん : 続きが見えなくて次に会う理由が良く分からないって感じになるしね。次に会う理由っていうのは俺の中で凄く大事で、その人に会いたくなるかならないか、逆もそうで相手が俺に会いたくなるかならないかが大事かな。

─弘 : そうですね。面白そうな人やモノに頭で考えずに手を伸ばし続ける事がとても大切なんですね。

─堤さん : 「没頭」かな。

─幹也 : 没頭! 「頭を没にする」って書きますね!「体で生きる」ってぐらい感覚を大事にする事が面白く生きる為に大切なのかもしれないですね。

堤晋一(つつみしんいち)

1977年山口県下関市生まれ。1997年「Bivattchee(ビバッチェ)」結成。/2000年には「SNAIL RAMP」の竹村氏率いるインディーズレーベル「School Bus Record」より発売されたビバッチェの1stアルバム『青いカラス』がインディーズで7万枚以上の異例のセールスを記録。/2003年「ソニーミュージック」よりメジャーデビューを果たす。フジロック、ライジングサン を初め数々の大型野外フェスにも出演。韓国にもライブ 活動の場所を広げる。/2005年アニメ『交響詩編エウレカセブン』の第3期オープニングテーマに抜擢。/2009年3月1日ソロ活動を本格スタート。/2010年「SONY MUSIC RECORDS」の「ステレオポニー」にBivattcheeの「はんぶんこ」をリメイクし楽曲提供。オリコン初登場11位獲得。/ドラマ「モテキ」のコンピCDに「紅茶の恋」が抜擢。