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KakeraBankPress|VOL.24

「藤里一郎」 写真家

カケラバンク:僕達が今、最も興味を持っている方に取材をするこのコーナー。今回のゲストは、写真家「藤里一郎」さんです。話は「好き力」に辿り着きました。 

 

─幹也 : 共通の知人を通じて御会いし度々ライブに足を運んで頂いてましたが、女優の「有村架純」さんと藤里さんがコラボされてるタイトルが「キョリ。」という事と、僕達の新しい作品「半径1mの温度」が同じ部分を表現しているんじゃないかと思い、今回は対談を御願い致しました。

─藤里さん : そうですね。ありがとうございます。

─弘 : 写真はいつ頃始められたんですか?

─藤里さん : 10歳の時。

─弘 : 早いですね!

─藤里さん : 子どもの頃おばあちゃん子で、そのおばあちゃんを撮った写真を喜んで貰ったのが今でも原動力であり、ルーツかなぁと。なんにせよ誉めてくれるおばあちゃんでした。写真を通してハッピーにしたい。

─弘 : 不自由な人が「不自由だ」って歌う事に少し憧れた時期もあったんですが、僕はずっと不自由なく幸せに過ごして来れたから、今は「幸せである事」を「幸せだ」と言おうと思ってます。

─藤里さん : 素敵!幸せである事を「幸せ」って言うのは恥ずかしいし中々出来ないからね。写真もエンターテイメントでいようと思ってる。

─幹也 : エンターテイメントとは?

─藤里さん : 楽しんで貰う事。

─幹也 : 予想をくつがえす事でしょうか。

─藤里さん : カケラバンクのライブを初めて見た時「うかつに」楽しませて貰った。きっと二人は「ざまあみろ」ってあの時思ってんだろうなって思ってた(笑)。僕も写真を撮った瞬間にたまに「ざまあみろ」って写真が撮れる。

─弘 : 来たぁ!って感覚僕もあります!幹也君も曲作っててあるんちゃう?

─幹也 : 曲を家で小声で作ってても確かに「来た!」って時あるけど、それを弘と二人でアレンジする、ライブで披露する、レコーディングしてCDにする、歌いこなしていくっていう何段階かの工程で、「ざまあみろ」感は作った瞬間から随分変わってしまう。

─藤里さん : 写真もすぐに発表せずに、レタッチとか加工という意味ではなく、時間の経過を入れてみたり、僕の想い入れを入れてみる。

─弘 : 一緒なんですね。

─幹也 : 逆にラブレターみたいに「ざまあみろ」って思ったのに、その作品に対して数日後急激に冷める時もありますよね。

─藤里さん : ある!

─幹也 : あれ何でしょうね。恋に似てるんかもしれないですね。

─藤里さん : でも何ヶ月か経った時に改めて見てみると燃えたりする。


─弘 : 写真を消すなって以前藤里さんがおっしゃってたじゃないですか。データを消さずに何年後かにそれを見たら良い作品になるかもしれないって。

─幹也 : 僕も出だし一行しか書いてない歌詞がパソコンにズラァってあります。数ヵ月後にその続きをブワァって書ける時があるのでその日を待ってたりします。

─弘 : その時良くなかったモノがある日良くなるって事は、何が良いモノか分からなくなりますね。

─幹也 : 僕ら作り手が変わって行ってるから。

─藤里さん : 生きてるからね。写真も日に日に上手になってるけど、「上手い写真」じゃなく「良い写真」が撮れるようになっていく。

─幹也 : 「上手い」じゃなく「良い」?

─弘 : すごい上手な人が打楽器叩いてても揺さぶられない時があります。

─幹也 : あっ演技に似てるんかもな。嘘泣きしてる俳優さん女優さん見ると冷めてしまう。

─弘 : ライブでも僕の周辺だけで音が鳴ってるのと、会場全体に鳴ってる感じがあって、その感覚に毎回行くにはどうしたら良いのかって思います。

─幹也 : 邪心を無くす事かな。電車ん中で色んな人がいたり不自然に近い所に人がいるけど、ここには誰もいない、と何処まで想定出来るかって僕はたまに修行してます(笑)。でも全然出来へん。

─弘 : すごいなぁ!

─幹也 : ライブで1人が寝てたりするとブレテしまうから、常日頃練習してる。

─弘 : 効果出てんの?

─幹也 : 以前よりかは目の前の人でブレないようになった。

─藤里さん : 僕は目の前の人を好きになる。「好き力」。

─弘 : なるほどね!

─藤里さん : 良い写真残そうって時は技術を入れようとするから、その時は対象への「好き力」が足りてないんだと思う。

─幹也 : 「好き」であればある程、持っている自分の技術が勝手に全て入り込みますよね。なんかこれで又ライブへの取り組み方が変わる気がします。今日はありがとうございました。

藤里一郎

 

男っぷりの良い写真、色香あふれる写真を撮る当代随一の写真家 1969年生まれ

東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、大倉舜二氏に師事、96年独立

広告、雑誌、個展、WEBなどジャンルを問わず作品を発表

藤里写心大学(写真スクール)主宰

 

代表作/格闘家武田幸三写真集『REAL 錆びない、鋼鉄』/

ストリッパー夢野ひなた『夢野ひなた FINAL2006.3.20』/

伊坂幸太郎『死神の精度』『死神の浮力』/森沢明夫『ラストサムライ』 他

 

04年、アートユニット・ATGunlimited結成

07年、写真家中野愛子と共に写真家ユニット「愛子と一郎」結成

総合格闘家菊野克紀オフィシャルフォトグラファー