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KakeraBankPress|VOL.23

「カケラバンク」 アーティスト

カケラバンク:今回は新作発表したばかりの僕達が二人きりで「半径1m」の距離で話しました。

 

─弘 :  5月2日に「半径1mの温度」を一日で全部録り終えて、俺は1曲目の「オンド」が一番良かったなって思った。あの曲は沖縄で作ったんやんね。

─幹也 : 3月31日の沖縄のライブのリハーサルが始まるまで、朝から時間がけっこう空いてて、ギターを持って森の中でメロディだけ作った。でも今とは比べ物にならんぐらいメッチャ明るかった(笑)。

─弘 : そうそう「らしくなかった」。

─幹也 : その後東京帰って二人で高円寺のスタジオで練ったらコードもキーも変わって印象がガラっと変わった。

─弘 :  あの時のスタジオは「うわぁ」ってなったわ。

─幹也 : アフリカンでありサンバなリズムが出来たもんな。俺らっぽくないけど、脱線するのが俺らっぽかった。

─弘 : 作る場所って大事なんやね。

 

─幹也 : そういえば今回プライベートノートにおまけのようにCDを付けるという、既成概念を壊せたのは良かった。

─弘 : 毎回ミーティングの時ノートに幹也君色々書いてたもんな。

─幹也 : 授業中机に落書きするタイプやったからなぁ。

─弘 : 俺はノートの端っこに詩とか書いてた。

─幹也 : 俺は国語の教科書にパラパラ漫画書いてた。小学校の時漫画家目指してたからその名残なのか今でも暇になるとノートとかに落書きする癖がある。日記は前の事務所のマネージャーに言われて上京直後から書いてた。

─弘 : それを今回は皆にも読んで貰える。でもカケラバンク組み始めた時幹也君HPにエッセイ書いてたやん。俺は昔それをちょっと気持ち悪いと思ってた。

─幹也 : どのエッセイが?

─弘 : いやエッセイを書く事自体が。

─幹也 : ほぉ。言葉にして表現する事自体が?

─弘 : 暗い印象があってん。

─幹也 : 弘もミュージシャンやってたのに作詞したりしてるミュージシャンが気持ち悪かったって事?

─弘 : 俺も詩を書いてたけど明るかった。けど幹也君のエッセイには暗いイメージがあった。でもこの二ヶ月間幹也君のプライベートノート6冊を預かって読んで、当時と変わらんぐらいの深い文章とか暗く見えがちな文章がいっぱいあったんやけど「面白いな」って思った。


─幹也 : なぜ印象が変わったんやろ。

─弘 : 「経験」して来たからリンク出来たんかな。あの時のエッセイは何を言うてるか分からへんかった。

─幹也 : って事は今あの頃の俺のエッセイを読んだら面白いかもね。

─弘 : そうそう今度持って来て。

─幹也 : 俺も21の時「人間失格」読んで意味分からんかったから途中でやめたけど、今読んだら面白いかもってのと一緒かな。

─弘 : そういう事。

─幹也 : ノートに沢山書いてるけど、社会の仕組みを「図」にするのが凄い好きやねん。

─弘 : 理解するの幹也君好きやもんな。

─幹也 : 理解するの嫌い?

─弘 : 理解せんでも好きな事はある。俺なんでジャンベ好きなんか考えへんもん。

─幹也 : 俺なんで考えんねやろな。

─弘 : 理解した時に感動するからちゃう?

─幹也 : そやな。理解出来た時「ボン」って気持ち良くなる。

─弘 : そういえば一曲目「オンド」で「言葉にしたくはないよ」って歌ってて、前作の右脳的な部分を引き継いでる。

─幹也 : 人と人が繋がって関係を続けていく為のカケラバンク二人の方法論を、前作からの続きとしてこの六曲の歌詞に込めてるんかな。最後の曲「夢ガール」で決意として「僕には夢がない」って歌った。でも「夢」がない訳じゃない。昨年末にはレンタル「UTAYA」を始めて、今年は手書き写真「オモイデア」を始めたりしてるし、今回もノートを作品にするって面白い事もしたから。今までの概念で言う「欲望的」な「夢」はなくなった。何万人の前で歌いたい、なんて事はもう思わなくなった。去年辺りから小さな場所で10人ぐらいのライブがあったら、その10人にちゃんと俺らは歌えてんのかって事を考え始めた。

─弘 : そやな。難しい事する必要ないなって思えた。

─幹也 : やりたい事楽しい事誰もやってないけどそれやろうよって思える事をやってる。

─弘 : 東京に来てコンプレックスがどんどん落ちたもんな。今も夢を追い続けてる人からしたらこの考え方は後ろ向きなんかな。

─幹也 : 俺は夢見てる人の方が後ろ向きやと思ってしまってる。大きな夢見てる人の多くが隣の人と幸せじゃない人が多かった。俺も以前は隣の人に嫌な気持ちにさせてたんかなぁと思った。

─弘 : ライブしてたら一瞬で終わる感覚。それを続けてたら「夢」を語らなくても幸せやった。

─幹也 : 未来を考えるから悩むもんな。夢見るより今楽しい事をやろうって事やね。


この対談模様はニューミニアルバム「半径1mの温度」の初回限定盤にDVDとして収録しております。(完売)