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KakeraBankPress|VOL.10

「岩瀬敬吾」 シンガーソングライター

僕達が今、最も興味を持っている方に取材をするこのコーナー。今回のゲストは、僕達が音楽を始めた頃からの憧れの存在であるシンガーソングライター「岩瀬敬吾」さんです。話は「夢とは何か」に辿り着きました。

 

─ 幹也 : 僕達は大学生の頃に音楽を始めたんですが、その当時岩瀬さんの影響を多大に受けていたので、こうして今回お話し出来る事を楽しみにしておりました。

─ 岩瀬さん : 昨年ライブハウス側から「カケラバンクさんとのイベント」のお誘いがあったけどスケジュール的にお断りし、再度2月21日のイベントでお誘いを頂き嬉しくてお受けしました。

─ 幹也 : ありがとうございます。

─ 弘 : 岩瀬さんの曲なんですが、何て言うんでしょう。アンビエントと言いますか、カフェや深夜にずっと聞いていられる世界観があって、メッセージにも「コーヒーを飲む」とかじゃない「空気に浮遊しているものを掴んでいる」感覚を得るんですが、どう作られてるんですか?

─ 岩瀬さん : 最初にメロディを作って、そこに歌詞を乗せます。

─ 弘 : 岩瀬さんの曲「レディオステレオ」等に僕は「郷愁」を感じるんですが。

─ 岩瀬さん : 歌詞の書き方にはパターンがあるんですが、幼少期の事じゃなく数年前ぐらいの事を書いてます。

─ 幹也 : 幼少期の事を書くと美化してしまうからですか?

─ 岩瀬さん : 今の自分とリンクしづらい位離れてしまっているので。過去は引用であって、子供の時こうだったあぁだって、それを本軸として書くのは楽しくないんです。

─ 幹也 : 僕もよく聞かれて困るんですが、「曲はどんな時に作りますか?」

─ 弘 : 幹也君はどう答えてる?(笑)

─ 幹也 : …喧嘩したり悩んだりしてる時って原因が分かってないんですが、数日後数ヵ月後になるとその解決法が分かる。その時歌詞と唄にしたいと思う。だから「朝です」とか「夜です」って感じじゃないかな。

─ 岩瀬さん : 僕も作ろうと思った時に作ります(笑)。で僕は原因が明らかに喧嘩してたりします。

─ 幹也 : それって感情的にはならないって事ですか?

─ 岩瀬さん : 感情的になるとめんどくさいじゃないですか(笑)。

─ 弘 : 岩瀬さんと今お話しさせて貰ってて、論理的な印象を持ってるんですが?

─ 岩瀬さん : 若い時は違いましたよ。今はそうですけど。子どもにも喧嘩を見せたって良くないじゃないですか。

─ 弘 : 幹也君の方が論理的に作ってるんかもね。

─ 幹也 : うん。喧嘩の解決法が分かって、一つの明快な哲学的なフレーズが出た時「あっこれサビにしたいな」って僕は思います。

─ 弘 : 岩瀬さんの曲聞くと景色が広がる感じがします。

─ 岩瀬さん : 僕景色大好きなんです。

─ 弘 : やっぱりぃ。

─ 岩瀬さん : 今住んでる所高台で景色が見える所なんです。

─ 弘 : 僕も景色を中心に写真を撮ってるんで岩瀬さんのPVも大好きなんです。

─ 岩瀬さん : 田舎育ちだっていうのもあるんですけど、小さい時基本一人で遊ぶ事が多くて、自然だったり景色の匂いをその時に覚えたんだと思うんです。僕たち、世代が一緒なので当時の見てた空の色とか空気感が一緒だったんでしょうね。僕等の昔の写真って色褪せたセピア色じゃないですか。でも今のデジタル写真は色褪せないですよね。

─ 弘 : 記憶ってセピア色に近いですもんね。

─ 岩瀬さん : 記憶は先に色を忘れちゃいますから。


「夢とは何か」の対談以外にも、岩瀬さんと伊藤くんで写真の話で盛り上がっていました。

─ 弘 : 初めて写真の個展をして思ったんですが、人って思い出という「過去」を振り返って「今」する事を決めて「未来」を作るんだと思ったんです。夢はあります?

─ 岩瀬さん : 人生の夢。あります?

─ 弘 : よく分からないんです。

─ 幹也 : ライブで自分と波長の近い人達が同じ気持ちになって共有して貰えたら嬉しいなぐらいはあります。

─ 岩瀬さん : ビジネス的な部分じゃなく、音楽をあぁしたいこうしたいってのはありますね。

─ 幹也 : 伝えたい欲って30代になって減って来ました?

─ 岩瀬さん : 一杯ありますね。でも焦り感はなくなりましたね。

─ 幹也 : 多くの人により自分と同じ感覚になって貰いたいって欲が25歳ぐらいの時凄くあったんです。

─ 岩瀬さん : 共感してくれるだろうって思って書く言葉もありますが、共感してくれないだろうなって言葉達を書く事こそ自分に近いんじゃないかなと思います。空を「空」と書く事ってつまんないじゃないですか。だから自分の色を書くのが僕は良いと思います。

─ 幹也 : 自分自身は今「音楽」で全て表現出来てますか?

─ 岩瀬さん : 僕と言う人格を全て理解して貰うには、会って飲んで一緒に過ごさないと理解出来ないと思います。

─ 幹也 : 20代の時、曲で自分の全てを分かって貰えたらベストだと思ってたんですけど、ある瞬間からちょっとずつ余白を作るようにしました。だからこそCDジャケットやPVや歌詞カードが、そして写真や小説やエッセイもサポート的にあるのかなと思えました。

─ 岩瀬さん : 本来唄ってものは聴覚だけで味わうもので、PVで視覚を決めてしまう部分があるので、あまり映像に意味を込めない方がいいのかなって思います。

─ 幹也 : 岩瀬さんは景色が広い広島から若くして東京に上京したと思うんですが、すぐに馴染めましたか?僕は四年目の去年体調を崩してしまったんですが。

─ 岩瀬さん : 10代に出て来たので楽しくやってましたよ。近所に大根畑が一杯あったようないい所に住んでたので。

─ 弘 : そんな昔住んでた場所の原風景を思い出すと「夢」って見つかると思うんですよ。過去の自分が選んだ事を振り返ったりしたら「自分」が分かって、未来でやりたい事が見つかる気がするんです。

─ 幹也 : 「夢」見つけたかったら過去を見ろって事か。

─ 岩瀬さん : 自分の変化に気付きやすいですからね。変わろうと思っていた自分がいたから今が変わってますからね。この仕事やってたら急にポッと出てわいたような話がある。掘り方は分からないけど、地道にやって「源泉」を探してて、たまに人と人が出会って繋がって化学反応が起こる時がある。それが「夢」かなぁと。

─ 幹也 : この出会いもそうですよね。僕大学を卒業して1回も就職してないんです。それは最初理由は分からなかったですが、ある時「不安定な自分が安定してる」事に気付いた時があったんですよ。この仕事を選んだからこそ、このように岩瀬さんとのような予期せぬ出会いがありますからね。

─ 弘 : ポッと出た光こそが「夢」って面白いですね。風潮として「夢」は自分で確立して自分で持とうってあるんですが、人との繋がりで生まれるものだって事ですよね。

─ 幹也 : 僕等が思春期に聞いてきたJ─POPには「夢」って言葉がうじゃうじゃありましたが「夢」の見方は教えられて来なかったですね。誰かに出会い誰かに影響されて見つけるのが「夢」な気がします。

─ 弘 : その生き方のガイドラインがボロボロになって来たのが日本人の「不安」の元凶だと思います。

─ 岩瀬さん : 日本という「壊れた船」の上で文句言い合ってる時期はもう終わった気がします。

─ 弘 : 地道に生きてポッと出た光を見つける事こそが「夢」。僕もそう思います。

─ 岩瀬さん : 地道はシンドイ時もあるけど、それこそが「ルーティンワーク」かなと思います。

─ 幹也 : 大きな叶いそうもない目標と言う「夢」もありますが、「続けて来て良かった」って思える瞬間の為に日々地道に生きる事自体も「夢」と言っていいのかもしれないですね。今日は少し「夢」の捉え方が変わりました。ありがとうございました。


岩瀬敬吾(シンガーソングライター)

1978年8月29日。横浜市在住。広島育ち。

「19(ジューク)」を2002年3月解散後、フォーライフよりソロデビュー。精力的に活動中。最新情報はHPから

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